歯周病を早期発見する2つのポイント
歯周病は症状が重度になっていくにつれて、治療が困難になり、予後も悪くなります。ということは、早期発見をして、軽度の段階で治療を施せば、予後も良くなるということになります。そこで今回は、歯周病の症状で早期発見の目安となる、「歯茎からの出血」と「歯茎の腫れ」という2つのポイントについて詳しく解説します。
① 歯茎からの出血
歯磨きによって、歯茎から血が出るという方は要注意です。
なぜなら、歯茎に炎症が生じている可能性が高いからです。
ブラッシングによって歯茎から容易に出血するというのは、典型的な歯周病の症状といえます。
ですので、毎回の歯磨き中や歯磨き後、口をゆすぐ前に歯茎から出血があるかどうかを確認しましょう。
▽出血してもしっかりと磨くことが大切!
歯周病の1番の原因はプラーク(歯垢)と言われています。(歯周病の原因のページへ)
その歯周病の原因、プラークを取るには歯磨きが大切になります。
しかし歯ブラシを当てると血が出るから怖い、もしくは血を出さないほうが良いと思って歯磨きを控えめにするかたがいます。
しかしそれでは余計にプラーク、歯周病菌が歯茎にたまり歯周病が進んでいってしまう原因になります。
正しい方法で歯を磨き、歯周病の治療をすれば歯磨き中に血は出なくなります。
もし軽く触れただけでも血が出る場合は歯ブラシを軟らかいものに変えて徐々にふつうの歯ブラシに変えていくことをおすすめします。
② 歯茎の腫れ
健康な歯茎は薄いピンク色をしていて、歯と歯の間、歯と歯茎の間はキュッと引き締まっています。
しかし歯周病になると歯茎が赤くなり腫れたりブヨブヨな状態になったりします。
この歯茎が腫れるという症状も歯周病のサインです。
▽歯茎の腫れは細菌と白血球が戦っている証拠!
上述した通り、歯周病と歯磨きはとても深く関係しています。
歯磨きがしっかりできていないとプラークが歯茎にたまり、細菌が住みやすい環境が作られます。
すると、細菌が歯と歯茎の間(歯周ポケット)に侵入しないよう、白血球が集合してくるのです。
歯茎の腫れというのはここで起こります。
歯茎の腫れは生体防御の一種で、侵入してきた細菌を白血球が迎え撃っているのです。
ですから炎症反応自体は、体にとって悪いものではないといえます。
ただし、慢性的に炎症反応が起こっていると、歯肉だけでなく、歯根膜や歯槽骨といった歯周組織全体を破壊していくこととなります。
以上のように、初期の歯周病には、めをこらせば歯茎に目を向けると意外に発見しやすい症状が2つあります。
日々、歯茎の状態を丁寧に観察することで、歯周病を早期発見することも難しくありません。オーラルケアを徹底しつつ、体から発せられるメッセージに耳を傾けてみてはどうでしょうか。