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2016年5月30日

■歯周検査で何が分かる?

歯周病を発症すると、歯肉や歯根膜、歯槽骨といった歯周組織全般に様々な症状が現れます。歯周検査では、肉眼で確認できる範囲の異常を診査します。

歯周組織の検査には様々な項目があり、当院では歯周病の検査として歯周ポケットの深さ、出血の有無、歯の動揺度を検査していきます。ここではその内容を詳しく説明していきます。


1. 歯周ポケットの深さ

歯周ポケットの深さ
歯周病になると歯と歯茎の間に歯周ポケットが形成されます。

歯周病が進行すると歯周ポケットが深くなっていきます。その歯周ポケットの深さを探針(プローブ)と呼ばれる器具を使って検査します。

当院では歯周ポケットの深さを次の3段階で評価しています。

 

正常;1~3mm
中程度;4~6mm
重度;7mm以上

 

歯周ポケットが深くなると、それだけ歯周病の原因菌が住みやすい環境が整えられてしまいます。

歯周ポケットの中は酸素が届きにくく、かつ食べかすや歯肉溝から分泌される滲出
などの栄養が豊富です。

歯周病菌は嫌気性が多いため、酸素の薄い歯周ポケットの中で活動を活発化させていくのです。

 

2. 出血の有無

出血の有無2
歯周ポケットの深さを測る際に探針(プローブ)を歯周ポケットの中に挿入します。
その探針を挿入した時、あるいは挿入直後、歯茎から出血するかを検査します。

この出血をBOP(Bleeding on probing)と言います。

 

歯周病にかかると、歯茎に炎症が生じます。

炎症というのは細菌の侵入に対する防御反応であり、血液や組織液などが歯茎に集中してきます。

その結果、歯茎に腫脹が起こり、探針による軽度な刺激でも出血をきたすようになるのです。

 

3.歯の動揺度(歯が動くか)

歯の動揺度2
歯は健康であっても生理的に動きます。(0.2mm程度)

しかし、歯周病が進行すると、歯を支えている骨(歯槽骨)が溶かされていきます。

歯の土台である歯槽骨が溶ければ、自ずと歯も不安定な状態となります。

歯周病がさらに悪化すると、歯槽骨が歯を支えられなくなり、歯が抜け落ちることとなります。

歯の動揺度はピンセットを使いMillerの分類に基づいて調べます。Millerの分類は、次の通り0~3度の4段階で評価されます。

 

0度:生理的動揺 0.2mm以内
1度:唇舌方向に動揺 0.2~1mm
2度:唇舌方向に動揺  1.0~2.0mm
3度:唇舌、近遠心方向に動揺 2mm以上

進行度

この3項目以外にも歯肉の炎症(歯肉の腫れ、色調、形態)を視診したり、エックス線写真から骨の状態を調べたりします。このような歯周病の検査により歯周病の進行度がわかります。

歯周病は進行度に応じて治療法も大きく異なります。

比較的軽度な歯周病であれば、歯周基本治療だけで対応可能です。

一方、上述したような重度の歯の動揺が見られるような歯周病では、歯周外科治療を施すこともあります。

当院では上記の検査をもとに患者様一人ひとりの歯周病の進行度にあった治療を行っております。

歯周病で気になる点がある方は、まず歯周検査を受けることをお勧めします。

歯周病の治療は病態を把握することから始まります。

 

池田歯科大濠クリニック
福岡歯周病治療専門ナビ
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