歯周組織再生治療って?
「歯科治療で再生治療って…?」と不思議に思われて、調べたことがある方もいらっしゃるかと思います。
「歯周再生治療」や「エムドゲイン」といったキーワードで検索すると、たくさんの歯科医院がでてきますし、再生治療についての説明も出てきます。
ではなぜ、 歯科医院では再生治療をお勧めしているのでしょうか。
検索されたみなさんも色々読まれたかと思いますが、端的にいうと、失われた組織を再生する素晴らしい治療法だからです。
この記事では歯周組織再生治療について、一般的な治療との違いや利点欠点などを詳しく解説します。
1.歯周組織再生治療とは
歯周組織再生治療をごく簡単に表現すると、次のようになります。
1 無くなってしまった組織(歯ぐきや骨)を元に近い状態に、そして違う異物などではなく、本人の細胞で治す方法
2 現在、一般の歯科医院でも広く行われている唯一の再生治療法
むし歯の治療では、麻酔をかけてむし歯になった歯の部分を取り除きます。
除去した後は、プラスチックや金属もしくはセラミックの詰め物で除去した部分を補います。ここで補う材料はあくまで人工物、異物であり、残念ながら本人の細胞を使った治療法はまだ確立されていません。
しかし、歯周組織再生治療においては、それが可能なのです。
2.歯周組織再生治療の手順
歯周組織再生治療では、まず悪くなってしまった組織をきれいに取り除きます。
次に根の表面の掃除をしっかりと行い、組織再生を促す薬、「エムドゲイン」を塗布します。再生を促す「エムドゲイン」を使いますが、その後組織ができてくると、本人の細胞で治癒するのです。
つまり、人工物に頼らず、自分自身の細胞で、歯周病を治すことができるのが歯周組織再生治療なのです。
3.「エムドゲイン」という薬剤について
歯周再生治療の要ともなるエムドゲインとは、いったいどのような薬剤なのでしょうか。
「エムドゲイン」という名前からはあまり具体的なイメージが沸かないかと思いますが、その特徴を簡単にまとめると次のようになります。
1 歯が発生するときに重要な役割を果たすタンパクが元になっている
(歯ができる時の様に歯槽骨や歯肉組織がつくられる)
2 世界44か国で使用されている薬剤
3 副作用の報告がなく安全が保証されている
以上ように、エムドゲインというのは世界中で使用されている安全な薬剤であり、歯周組織を再生させる上で非常に有効な成分が含まれています。ですので、皆さんにも安心して治療を受けていただける薬剤といえます。
4.歯周組織再生治療が失敗するケース
歯周組織再生治療は万能ではありません。エムドゲインという素晴らしい薬剤があっても、あるいは適切な処置を施したとしても、次に挙げるようなケースでは再生治療が失敗することがあります。
1 歯科医師にエムドゲインに関する知識や技術がない(セミナーに参加し必要な技術を習得する必要がある)
2 歯磨き(ブラッシング)をしない人
3 オーラルケアを歯医者任せにする人
4 喫煙する人
以上のようなケースでは、せっかく再生治療を行っても良い結果が得られないことがあります。
当院でも積極的に「エムドゲイン」を推奨すると同時に、上記のようなケースにあてはまらないよう、最大限の努力をさせて頂いております。ですので、どうしようかと悩まれている方まずは当院にご相談されてみてはいかがでしょうか。