幼児の歯周病について
※歯肉炎:歯に付着するプラークが原因で、歯肉が発赤腫脹し、出血しやすい状態の歯肉。
歯周病になるのは大人だけ?
子どもは免疫力も強く、唾液の分泌量などが多いため、歯周病にはなりにくいと考えられていますが、先天的に免疫力が弱い場合、歯磨きの状態が非常に悪い場合には歯周病になります。
また食生活の著しい変化で、粘着性が高く、柔らかい食物が多くなっているのも、小学生や中学生で歯周病が出る原因とされています。
もし子どもが歯周病になってしまうと、成人より早く進行するので注意が必要です。歯周病の予防にはまず歯周病の原因である歯垢を取り除くことが大切です。
正しいブラッシングの方法で、歯垢のない清潔な状態にしておくことが大切です。
永久歯に生え変わる時期に注意が必要
6歳頃から子どもの歯から大人の歯に生え変わり始めます。遅い人でも15~16歳には、親知らずを除いて28本の永久歯が生え揃います。生え変わりで気になることの1つに、歯並びがあります。
歯並びが悪いとブラッシングしにくく、虫歯や歯周病にかかりやすくなります。またこの時期、歯ぐきが炎症を起こす「歯肉炎」という病気にも注意が必要です。
炎症は3、4歳頃から見られ、歯の交換期に増加し、12歳頃の永久歯が生え揃う頃に多く認められます。
子どもの歯肉炎は永久歯列になったときに、将来歯周病に移行することが考えられますので、予防をこの時期にしっかりしておくことが大切です。
フッ素で虫歯予防
フッ素とは、鉄やカルシウムのように自然の中にある元素です。歯の表面のエナメル質に作用して、エナメル質の結晶構造を安定した硬い丈夫なものにし、虫歯に対する抵抗力を強くします。
虫歯になりかけたエナメル質に作用して、その部分の再石灰化を促進します。
フッ素は乳歯や生えたての永久歯の虫歯予防に効果があります。歯の表面は、きれいなエナメル質が整っていない傾向が強く、触るとツルツルでない状態です。そのため汚れやすくなります。
そこで早く丈夫な歯にしようというのが、フッ素治療です。
まとめ
夏休み、冬休み、春休みなど定期的に歯科を受診してはいかがでしょうか。
歯みがきしても多少の歯垢は残ってしまいます。年2~3回の定期検診で「歯みがきができているか」「口の中に問題はないか」のチェックと、専門器具を使ったクリーニングを受け、歯ぐきの中にたまった歯垢を落としましょう。
歯垢は、虫歯や歯周病の根本的な原因となります。
それを小さな頃からきちんとコントロールすることで、大人になっても強くて健康な歯や歯ぐきを維持していくことが可能となるのです。