歯周病を誘発する7つの原因
直接的な原因
・プラーク(歯垢)
歯周病の一番の原因はプラーク(歯垢)です。プラークとは歯の表面に付着する白色あるいは黄白色の細菌の塊です。プラークの中には1mgあたり約10億個もの細菌が含まれており、その細菌のなかに歯周病菌がいます。その細菌が作り出す毒素により、歯茎の腫れや血が出るなどの炎症反応が引き起されるのです。
プラークは粘着性が強く、うがいをした程度では落ちません。つまり歯磨きでプラークを落とす必要があります。歯磨きがうまくできていないとプラークがたまり、歯周病になるというわけです。 またプラークをそのままにしておくと歯石になります。歯石の表面はデコボコしておりさらにプラークがつきやすくなります。歯石は歯磨きでは落とすことができないので、歯科医院でとる必要があります。
間接的な原因
上記の通り、歯周病の主な原因はプラークです。実際に悪さをするのは、その中に含まれている歯周病菌ですが、プラークさえ溜まらなければ、細菌が歯面にとどまることも難しくなります。逆に、プラークが溜まりやすい環境は、歯周病を誘発しやすいともいえるのです。次に挙げる4つの要因は、プラークを溜まりやすくするため、歯周病の間接的な原因といえます。
・プラークを溜まりやすくする4つの要因
1.歯並び
歯並びが悪い所は歯磨きが上手くいかずプラークが付きやすくなります。
2.歯に合っていない被せ物、詰め物
歯に合っていない被せ物や詰め物が原因でプラークがその周りに付きやすくなります。
3.歯ぎしり、くいしばり
歯や歯を支える組織(歯茎や歯を支える骨など)に強い力がかかり炎症が起きやすくなります。
4.口呼吸
口呼吸することでお口の中が乾燥しやすくなりプラークがたまりやすくなります。また唾液にはお口の中を洗い流す力(自浄作用)や細菌の発生・生育・増殖を抑制 する力(抗菌作用)があります。
口呼吸をすると唾液が少なくなりこのような作用も弱まることになります。
歯周病はプラークが溜まり、細菌が増殖することで発症します。または、歯周組織の免疫力が低下することでも発症することがあるのです。次に挙げる3つの要因は、歯周組織の免疫力を低下させるため、歯周病菌に対して抵抗することが難しくなり、歯周病を発症してしまいます。
・歯周組織の免疫力を低下させる3つの要因
5.喫煙
喫煙することで血管が収縮し歯茎の血行が悪くなり、歯周病への抵抗力が弱くなります。また出血も少なくなり歯周病になっても気づきにくくなります。
6.ストレス
ストレスで体の抵抗力が落ちると歯周病になりやすくなります。
7.食習慣
栄養が不足すると歯の周りの組織の抵抗力が低下します。また甘いものや軟らかいものは歯につきやすくプラークの増える原因になります。
このように歯周病の原因は細菌から生活習慣まで幅広くあります。もちろん、根本的な原因は、歯周病を誘発する細菌です。ただ、ほとんどの人のお口の中には、無数の細菌が 常在しています。要は、この細菌の数をいかに増やさないか、あるいは細菌に対する抵抗 力をいかに落とさないか、という2点に尽きるかと思います。
ですから、歯周病を予防するためには、口腔内の細菌数を崩さず、細菌に対する抵抗力を落とさないような状態を保 つ必要があるのです。そこでまずは、自分がなぜ歯周病になったのか、もしかしたらこれ から歯周病になるかもと思われているかたは、一度歯科医院で相談をされてみてはいかが ですか?歯周病の専門家が的確な診断を下してくれるかと思います。